新人エンジニアは、職場環境に適応しなければならないうえ、技術力向上のために新しいプログラミング言語を習得したり、勉強・スキルアップが常に求められたりすることが要因となり、就職初期の離職率が高いといわれています。外国人エンジニアの場合はさらに文化や言葉の壁もあるため、当初の教育には十分に配慮をしたいところですよね。そこで今回は、新人エンジニアの教育に使える手法6つと外国人エンジニアを育てるうえで注意をしたいポイントをご紹介します。
Contents
社内教育
自社で作成した資料や蓄積された経験や知識を、社内の教育担当者が指導する方法です。その種類とそれぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
選択肢1:座学研修
社内で作成をしたマニュアルや資料を参照しながら、同じ年次や職位の社員が集まって受ける研修です。
この指導方法は、会社の価値観などを踏まえながら教育することが可能です。
メリット
- 研修内容をアレンジできる
- 理解度や得意分野を把握しやすい
デメリット
- マニュアルや資料の改定コストがかかる
- 研修担当を据える必要がある
選択肢2:OJT
OJT=On the Job Trainingの略称で、実務に従事しながら職業訓練を受ける教育手法です。
この指導方法はマニュアル化しづらい知識を伝えるのに適しています。
メリット
- 実務ベースの内容なので、即戦力が育つ
- 作業の結果と実績が見えるのでモチベーションが高まり教育効果が大きくなる
- 上司や先輩から暗黙知(明文化されていないが重要な知識や経験)を学べる
デメリット
- 教育担当や案件によって学習内容が偏る恐れがある
- 難易度の高さや現場のスピードに着いてゆけず、離職につながる可能性がある
- 教育担当に負荷がかかる
選択肢3: PBL(Problem Based Learning|問題解決型学習)
明確な正解のない課題に取り組むことで、自発的に問題を解決しながら学ぶ手法です。
チューター(講師)にわからない点を質問しながら進めます。
メリット
- 実務に必要な問題解決能力が備わる
- 期日までに仕上げるプロジェクトマネジメントの重要性に気がつく
- コミュニケーションスキルを養うことができる
デメリット
- チューター担当に負荷がかかる
- エンジニア個人の自主性に任される部分が多いため、均質な学習効果が得られるか分からない
インターネット上で受けられる教育
世界中のIT研究者や技術者がインターネット上に公開する知識や技術から学ぶ方法です。こうしたオンライン学習サイトはレベルに応じたさまざまなプログラムが多言語で提供されているため、
外国人エンジニアにとっても有益な教育方法といえます。
選択肢4:オンライン学習
インターネット上で公開された資料や動画を利用して学習をする手法です。たくさんのコンテンツが用意されているので初級者から上級者まで幅広い層に対応することができます。
メリット
- 外部委託の研修と比べて費用が安い
- 受講者の学習スピードに応じて進められる
- 分からない部分は繰り返し学習できる
- 実際に手を動かしながら学習できる
デメリット
- 顔の見える相談相手がいない
- 効果的な学習方法が分からない
- 学習成果を評価しづらい
多言語で受けられるオススメのオンライン学習サイト
現在、外部サービスを利用して勉強する社会人は増えてきています。その需要に応えるように、オンライン学習サービスはさまざまな企業がサービス展開しており、自社の社員のために利用している企業も増えてきています。こちらはそういったオンライン学習サービスの一部をご紹介します。
Udemy
世界最大級のオンライン動画学習サイトです。日本ではベネッセが運営しています。英語の講座が豊富なので、日英のどちらか得意な言語で受講でき、不明な点は動画の作成者に質問も可能です。
COURSERA
スタンフォード大学主催の動画学習サイトです。大学や有名企業が開講しているので、講義の信頼性が高いといえます。受講生同士でコミュニケーションやディスカッションが可能で、修了証が授与されるため、エンジニアの学習のモチベーションアップにもつながるでしょう。
社外教育
外部教育機関が主催する講座を通じて教育する方法です。異なる企業や業界を超えた人材が集まって教育を受けます。その種類とそれぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
選択肢5:社外研修
企業が業務の一環として社員に義務付ける研修を、社外の教育機関に外注する方法です。研修担当者が一から内容を考える必要がないので業務の負担を軽減できます。
メリット
- 業界全般に特化した内容を全般的に教えてもらえる
- 大人数や複数企業合同の研修の場合、コストが抑えられる
- サポートが手厚い
デメリット
- 適材適所につながる得意分野の把握が難しい
- 初学者と既学者を区別できない
- 研修内容に自社が教えたい分野が反映されない
選択肢6:社外セミナー、講演会
設定されたテーマに興味のある人が集まって有識者の授業を聴講します。業務に慣れたエンジニアが、最新技術のブラッシュアップに利用することが可能です。また、新しい情報を収集しやすいといったメリットもあります。
メリット
- 専門家から生の知識や技術が学べる
- 最新分野を勉強をするきっかけになる
- 懇親会で交流ができる
デメリット
- 教育の成果が見えにくい
- エントリーレベルでは適切なセミナーの判断が難しい
外国人エンジニアを指導する際のポイント
外国人、日本人に関わらず、エンジニアの指導で重要なのはコミュニケーションを図ることです。特に外国人エンジニアの場合は「当たり前」という固定概念は持たずに、まずは質問を受け入れましょう。具体的な施策をご紹介します。
質問しやすい環境づくり
研修を受けただけでは実務では通用しません。新人は手を動かしてみて壁にぶつかることも多くあります。教育担当や先輩社員は質問しやすい雰囲気づくりを心がけましょう。
コミュニケーションはつくりだすことが重要
とはいえ教育担当にも自分の業務についつい没頭してしまうこともあるでしょう。(質問が無くても)30分毎につまずいていないか声をかけてみるなどのルールを設けておくと、新人社員も安心して課題に取り組めるでしょう。
外国人エンジニアには日本文化も教えよう
外国人エンジニアは自国とは文化も風習も異なる日本で仕事をしていて、孤独を感じることも少なくありません。日本の文化や生活に関する話題で、会話をするきっかけ作りも積極的にしていきましょう。
まとめ:教育方法自体は変わらない
- エンジニアの教育方法はいろいろある
- 複数の教育方法を組み合わせるのも効果的
- コミュニケーションが成功の可否を握る
外国人エンジニアも日本人エンジニアも、教育方法自体は変わりません。入社初期のころに適切な教育を受けられる体制づくりをすると、会社の一員として働くモチベーションも上がるでしょう。注意をしなければならないのは、言語や文化的背景の違いという点において、コミュニケーションの障壁が外国人エンジニアの方が高いということです。教育担当者は外国人エンジニアの理解が進まない場合に、知識や技術の不足が問題なのか、コミュニケーションの問題なのか、ということを明確にして対応に当たりましょう。
外国人エンジニアの求人で挫折したけど、もう一度挑戦したい方は、こちらからご相談ください。
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