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外国人採用ノウハウ

外国人社員の退職手続き。人事部が知るべき交付・届け出書類を紹介

採用した外国人社員が退職するとなった時、どのような手続きが必要になるのでしょうか。
ここでは、外国人社員が退職するときに本人が行なう手続きと、人事が行なう手続きに分けて退職に必要な手続きの流れを紹介します。外国人特有の手続きは、本人が行うものが多いですが、会社側の手続きもあるため人事部で把握できるようにしておきましょう。

退職後14日以内に本人による手続きが必要

外国人社員には日本人社員と異なり在留資格の手続きが必要です。届け出を忘れることで不法滞在罰金等の刑罰が外国人社員本人に科せられてしまうため、外国人社員から退職の相談があったら、人事が積極的に入国管理法や日本の法律の説明を行ないましょう

入国管理局への届け出について

退職届の提出は会社の就業規則に則って手続きを、在留手続きは法務省・入国管理局により定められた方法で本人に行ってもらってください。

入国管理局の届け出については、入管法第19条の16により退職後14日以内に入国管理局に「契約機関に関する届出」を届け出る(届け出の方法:窓口・インターネット・郵送)とされています。

参照:入管法第19条の16第1号及び第2号

入国管理局電子届出システム

この届け出を知らない外国人社員が多いため、きちんと説明してあげましょう。届け出を忘れると入管法第71条の3第3号により20万円以下の罰金を科せられます。なお、退職後3か月以内に再就職をしない、または就職活動がみられない場合は在留資格を取り消されることがあります。

人事が行う手続き

企業の人事が行なう手続きは日本人社員が退職する時とほとんど同じ手続きです。
人事内で社会保険や雇用保険など担当者が異なる時は回覧できるようにチェックシートを作成しておくと、日本人社員が退職する時にも活用できます。

  • 退職届・・・会社の規定に沿って提出
  • 退職証明書発行・・・入国管理局や再就職で必要のため迅速に対応
  • 源泉徴収票の交付・・・再就職先で必要だが、帰国する時は必要なのか確認
  • 雇用保険離職票の交付・・・失業保険該当者のみ手続きで必要
  • 健康保険証や備品、貸与品の回収・・・何をどこに返却してもらうのかチェックシートを作成して双方で確認
  • ハローワークに外国人雇用状況届け出る…事業所を管轄するハローワークへインターネットで届け出
    ※ハローワークへの届け出は、人事作業を社労士事務所へ外注されている場合、社労士事務所がやってくれていることも多いです。
    ※この届出を怠るまたは虚偽の場合30万円以下の罰金に科せられる

厚生労働省|外国人雇用状況の届け出について

なお、雇用保険被保険者資格喪失届をすることで外国人雇用状況の届け出が完了できます。
雇用保険に未加入の場合は入国管理局に対し14日以内に「中長期在留者の受入れに関する届出」を提出します。

退職後帰国する外国人が行なう手続き

外国人社員が退職する前にチェックシートを用意し、手続き方法が書かれた行政の資料も確認しながら説明してください。

入国管理局で手続きすること

・入管法第19条の16により退職後14日以内に「契約機関に関する届出(契約の終了)」を届け出
(届け出の方法:窓口・インターネット・郵送)
・在留カードの返却
再入国の予定が無いときは在留カードを「在留カード等の返納について」と一緒に返却
(返却の方法:窓口・郵送)
期限内に返納しないと罰金に処せられることがあります。
※外国人登録証明書も返却する。

居住地の役所で手続きすること

・住民票の転出
・マイナンバー(通知)カードの返却
※再入国する時はまた同じ番号が振り分けられます。
・国民健康保険の脱退(国民健康保険加入者のみ)
※忘れると国民健康保険の請求が来ます

年金事務所で手続きすること

・年金の脱退一時金請求
半年以上年金(国保・厚生)に加入していた時は日本に住所が無いことを前提に将来加入期間の通算または、脱退一時金請求ができます。

日本年金機構|日本から出国される外国人のみなさまへ

居住地のハローワークで手続きすること

・所属していた企業から発行してもらった離職票を提出して失業保険(雇用保険の基本手当)の手続きをする
外国人が雇用保険に加入していた期間が原則12月以上あれば基本手当を加入期間に応じて受け取ることが可能です。
ただし、在留資格により受け取れないこともあります。

まとめ

退職願が受理された後は人事と外国人社員で有給の消化、返却物に関する説明と一緒に日本国内で外国人社員本人に対して人事が行うべき手続きや、本人が行う手続きを説明しましょう。
語学に自信がない人事担当者は通訳できる人に同席してもらい、正確な情報が伝わるよう準備を進めてください。通訳同席が難しい場合は、必要となる手続きについてメールで伝えて、本人にインターネットを使って翻訳してもらうと良いでしょう。

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