年々上がっている採用活動の難易度。人材確保の新たな選択肢として注目される外国人採用においても、求める人材からの応募を集めることは難しく、言葉の壁や面接における慣習の違いなどから、ミスマッチが起きやすいという課題も抱えています。
この様な状況を打破するために注目が集まっているのが、採用PRです。今回は、採用PRの概要と重要性、そしてどのように行うべきかを解説していきます。
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そもそも採用PRとは
PRとはpublic relationsの略。会社の組織とそれを取り巻く人間との、望ましい関係を構築するための考え方や行動のあり方を意味します。つまり採用PRとは、求職者との間により理想的な関係性を作ることといえます。単純に広く認知させることが目的ではなく、PR活動を通じて自社についてよく知ってもらい、求職者と良好な関係を築くことで採用へとつなげる手段だと考えていきましょう。
採用PRで得られる結果は3つ
採用PRによって得られる結果は3つあります。
ミスマッチを解消できる
採用PR最大のメリットは、採用におけるミスマッチが起こりづらいこと。認知向上に重きを置く従来の採用手法と違い、採用PRでは自社の業務内容を良く知った上で、カルチャーや価値観に共感した求職者を集められます。企業のカラーにマッチした人材を効率よく募ることができるのは、採用PRならではの利点といえるでしょう。
定着率が高くなりやすい
ミスマッチが無いことと連動したメリットですが、採用PRによって獲得した社員は、入社後の定着率が高いということがわかっています。知名度や待遇ではなく、企業そのものに共感して入社したのですから、当然といえば当然でしょう。また、その様な人材は定着率が良いだけでなく、高いパフォーマンスを発揮する傾向にある点にも注目です。
採用コストを抑えられる可能性がある
最後に、採用PRは採用コストを大幅に削減できる可能性があります。ミスマッチが減れば無駄な採用費がカットできることに加え、採用PRの手法は、自社メディアやSNSなど、従来の採用広告に比べて費用がかからない方法を選択できるからです。
採用PRが重要視されるにいたった経緯
採用PRが重要視されるにいたった経緯として、労働人口の減少と好景気により、労働者の売り手市場化が進んだという背景があります。また、日本経済団体連合会の方針により、学業に支障が出ない採用スケジュールで設定するようになったことも、採用が難しくなっている一因です。
これらの条件が揃うことで、求人を出せば人材が集まるという時代は終わりました。それに伴い、採用PRを通じて自社の魅力をより正確に伝え、応募者に企業のファンになってもらうような取り組みが重要視されるようになったのです。
企業は採用活動の中でどのようにPRしていくべきか
では、採用活動の中で、企業がどのようにPRすることが効果的なのかお伝えしていきましょう。
採用PRではストーリーを伝えることが重要
企業の強みや成し遂げたことをそのまま伝えるだけでは、共感を得ることはできません。なぜ採用PRに取り組み、その根底にどの様な思いがあり、結果を得るためにどのようなことをしたのかというストーリーが、人の共感を獲得するのです。
ストーリーを伝えやすいコンテンツの種類としては、社員インタビューや創業者の想い、プロダクト開発の経緯や社内イベントといったものが挙げられるでしょう。伝えたいメッセージをストーリーに落とし込み、採用PRを行うことで、企業のカルチャーや理念に共感した人材を集められるはずです。
採用PRの手段
外部への発信方法としてはSNSや自社メディア、求人広告、人材系メディアへのインタビュー掲載など、Webの有効活用がオススメです。まずはコンテンツに触れてもらうことが重要なので、自社の状況にあわせた経路で情報発信を行うと良いでしょう。
また、外国人採用においては、外国人向けの採用サービスを使ったり、外国人が好む動画コンテンツによるPRを取り入れたりといった、ターゲットの特性にあわせたアプローチも有効です。
まとめ:自社の魅力を伝える採用PRが人材の獲得につながる
人材採用といえば、これまでハローワークや求人媒体の活用が主流とされてきました。もちろん、採用のPR担当と協力してそれらの媒体を活用することで採用に結び付くことも多々あります。しかし経営者が考える会社・事業を成長させ、自社の考え方に共感し、活躍してくれる優秀な人材を採用するためにも、企業の魅力を外部に伝える採用PRが重要視されつつあります。この機会に、ぜひ採用のためのPR戦略について社内で検討を進めてみてはいかがでしょうか。
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