黙々と作業するイメージが強いエンジニアですが、やはり仕事を進めていくうえでコミュニケーション能力は必要です。
とくに、外国人エンジニア採用の面接では、日本語力も測られると思いますが、IT分野における日本語の意思疎通では注意すべき点もあります。今回は、採用担当者や現場担当が見極めたいコミュニケーションスキルについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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エンジニアに求められるコミュニケーション力とは
ITエンジニアは、システム設計やコーディング、プログラミングなど黙々と作業をするイメージがあり、コミュニケーション能力は関係ないように思えるかもしれません。しかし、エンジニアにもコミュニケーション能力は必要です。
ただ、コミュニケーション能力といっても、営業力のように自分をよく見せる会話力や社交性というわけではありません。エンジニアに求められるのは、モノをつくるうえでの認識合わせや理解力や発信力などが必要になります。
意図を汲み取る「理解力」
経験にもよりますが、理解力とはクライアントの意図や要望をしっかり汲み取れることです。また、社内のプロジェクトマネージャーやディレクターからの指示を的確に受け取って、適切に業務に反映できる能力のことです。とくに、製品の開発者として相手の意図が汲み取れないことは、クオリティにも影響してしまうでしょう。
周囲への説明は「発信力(伝達力)」
発信力とは、IT業界に疎いクライアントに対しても、専門用語や知識を噛み砕いたわかりやすい言葉を使って説明ができることを指します。社内チームで進めるような場合には、相談や進捗報告が不可欠となりますが、それらをスムーズするのも、タイミングと的を射た伝達(発信)力なのです。
コミュ力があまりないととどうなる?
それではコミュニケーション能力に欠けている場合、どのようなことが起きるか考えられるリスクをご紹介します。
納品物の完成度に影響する
エンジニアは、依頼を受けてモノづくりをする仕事です。依頼者であるクライアントの意向をきちんと汲み取れなければ、クライアントが満足するアウトプットができません。
納品物に納得してもらえず完了時期がずれ込んだり、クレームが発生したりすることもあるでしょう。
外部との連携がとりにくくなる
案件規模が大きくなれば、社内の営業をはじめ、デザイナーや開発担当者、運用メンバー、会社外の人間など複数人の連携で進めます。お互いに状況説明や情報共有のやり取りをしながら進行するとき、コミュニケーション能力が欠けるとスムーズな連携が難しくなるのです。
クライアントや社内の関係者に対して、自ら質問することができなければ、疑問を解決しないまま不適切なアウトプットを出す可能性があります。発言が苦手だったりすると、メンバー間で認識のずれがあっても修正ができません。のちにバグやクレームの出る確率が高くなってしまうのです。
外国人の場合は?
外国人エンジニアの採用では、人材が一定の日本語能力を持っていても、認識がずれる可能性があることには注意が必要です。
業務上での外国人と日本人の認識のずれは、ほんの些細なことから生じます。日本人は本来の英語の意味とは異なる和製英語を使うことがよくあります。また、日本語の中で使われる用語の微妙な発音の違いで認識がずれてしまうこともあるようです。
和製英語の場合は注意
例を挙げると、日本語の「パスする」があります。日本人は「それはパスしておこう(やめておく)」「これをパスしてから(通過してから)」のような使い方をします。しかし、外国人がその「パス」を、英語のpass「合格する」で捉えてしまえば、微妙にニュアンスがずれてしまいます。日本人が意図しない認識や行動が生じる可能性があるのです。
日本人と外国人エンジニアが協働する組織であれば、このような認識のずれが起こる事例などを研修で伝えていくことも一つの回避策となります。意識して丁寧なコミュニケーションを取ってくれるようになるでしょう。
日本人でも同じことが言えますが、コミュニケーションで重要なのは内容の深さと頻度です。毎日の業務の中で、短い時間でも会話を交わし、必要なときはじっくりと話合う機会を作っていくことがポイントとなります。
まとめ
ITエンジニアを技術力優先で採用する企業もありますが、仕事を進めるにはコミュニケーションは不可欠です。面接ではそういった能力も見極めていきましょう。
入社後にも、日常的なコミュニケーションを高頻度で重ねることで、社内チームの意思疎通の精度を高めることができます。余裕があれば、技術研修や勉強会の開催もおすすめです。
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