IT業界は現状、慢性的な人手不足に悩まされています。その原因の1つが、離職率の高さです。例えエンジニアを確保できても、職場への定着率が悪ければ人手不足解消には繋がりません。そこで今回は、エンジニアの退職理由と定着率アップポイントについて解説します。
Contents
本音を探る。エンジニアの退職理由
離職率が高いと言われるIT業界ですが、エンジニアが仕事から離れる理由はどのようなものなのでしょうか。現場のエンジニアがどんな時に退職を考えるのか、よくある退職理由を4つご紹介します。
給与面に対する不安
昇進による昇給制度を定めている会社の場合、業務レベルが上がっても給与額の上昇に繋がりにくいと言う特徴があります。特にエンジニアは業務経験を重ねることでスキルや技術が培われていきます。それによって、従来の昇級テーブルに対して「能力に見合った給与額ではない」と感じることが退職を考える原因となります。
プログラミングにおけるスキルアップ
仕事に意欲的な社員に多い退職理由が「スキルアップ目的」です。自分が今している仕事よりもレベルが高く、経験になる仕事をしたいと考えて別の会社にそれを求めるのです。現状、仕事内容に不満を抱えているほどこの気持ちを抱きやすいといわれています。
中には、能力を買われてヘッドハンティングされたことがきっかけで退職するエンジニアもいます。
キャリアパスの不安
「IT業界に向いていない」という自覚はエンジニアが退職する理由として少なくありません。特に未経験でIT業界に就職したエンジニアは、IT業界にどんな仕事があるのか、キャリアパスはどうしたらいいのかを想像できず、自分の将来設計が築けないことに不安を感じるケースが多いようです。
人間関係・労働環境への不満
IT業界の現場はチームプレーが必要不可欠です。社内のチームメンバーだけではなく、顧客、取引先とも密に関わっていかなければなりません。そういった人間関係に不満があると、職場にストレスを感じ退職を考える場合があります。
その他に、労働環境が悪く身体や精神に支障をきたしている場合にも、仕事を辞めると言う選択肢が立ち上がります。
離職を防ぐ改善策
では、実際にエンジニアが抱えている退職する理由に対して、どのようなアプローチをすれば定着率を上げることができるのでしょうか。エンジニアの退職を阻止するポイントをチェックしましょう。
能力に見合った昇給制度を導入する
スキルや能力を重視するエンジニアのような社員に対しては、個人個人が持つ能力に見合った給与を与えられるような、独自の昇給制度を導入しましょう。成果に対して一定の割合で給与増額するといった方法もおすすめです。併せて、適切な昇給を行えるように、評価制度を見直しする必要もあります。
スキルアップを繋がる仕事を与える
スキルアップを求めている意欲的な社員に対しては、定期的に個人的な面談を行い、今の仕事に対する不満ややりがいに対してヒアリングしていきましょう。意欲的な社員は、成長するに従って高い戦力となります。能力に応じた難易度の仕事を与えて、スキルアップ精神を尊重するようにしましょう。
労働環境を見直し改善する
現場の労働状況を把握し、エンジニアが不満を表していないかをヒアリングして見直しましょう。特に多い不満は「長時間労働」です。個人に割り振られている仕事の量が適切でなく残業が多い、人員数が不足しており一人当たりにかかる業務が多いなど、是正すべきことがあるかもしれません。
また、PCのスペックや開発に使うソフトやツールが不足していると、エンジニアが仕事のしにくさを感じて退職に繋がりやすくなります。開発環境が悪い場合には、早急に改善しましょう。
ポジティブな退職は快く受け入れる
もし、エンジニアが業界や会社への不満によって退職を考えているのではないなら、退職希望は快く受け入れるようにしましょう。スキルアップや業界への転職は、そのエンジニアの将来を広げるポジティブな行動です。会社がその決断を激励し、気持ちよく送り出せば、彼らもきっと気持ちを新たに次のステージに進むことができるでしょう。
まとめ:適切なコミュニケーションで定着率をアップしよう
人手不足の中、せっかく手に入れたエンジニアを失ってしまうのは大きな痛手です。エンジニアの定着率を上げ、優秀な人材を確保し続けるには、社員一人一人とコミュニケーションをとって、抱えている不満や希望、将来的な展望を把握することが重要です。
お互いの理想をすり合わせて、エンジニアが求める環境で仕事ができるように働きかけましょう。