近年は外国人留学生も日本の労働力として採用され、人気の勤務地である東京ではなく、地方で就職しているケースが増加しています。ここでは、外国人留学生が地方で就職するケースが増加している理由と、留学生の就職状況や地方企業の採用状況をご紹介します。
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東京だと競争率が高い
入管法の改正(2019年4月)で単純労働でも就労できるようになったことにより、建設・農業・宿泊・介護・造船の5分野で金属プレスや鋳造、外食産業でも外国人労働者が増加する見込みです。
東京を始めたとした首都圏は日本語学校や留学する大学が集中しており、世界的に有名な大企業の本社があることから就職先として人気があります。
しかし、海外の現地採用者と留学生の募集枠が少ないうえ、理系学生の場合は産学協同で研究をしている企業にスカウトされてそのまま就職が決まる学生が多いため、外国人留学生の就職選考は厳しいものになります。そのため、就職先の選択肢として地方への流出も目立ってきています。
地方圏の就職状況の調査でも地方は倍
地方では留学生を確保する理由として、日本人の若者が嫌がる仕事でもやってくれる、販路の拡大(海外展開など)ができるなどがあげられます。
しかし、留学生の間で地方は
- 日本語学校の学費が首都圏より安い
- 物価が安い
- 母国と風景が似ている
などの理由から人気があり、人材の競争率は高いので中小企業ではさまざまな施策を行っています。
【各県の対策例】
■長崎県
産官連携で「長崎サミット」を立ち上げて留学生の支援・活用を目的とした「長崎留学生支援センター」を設置して、留学生と企業の交流を図っています。
■三重県
外国人児童向けの日本語教材を独自に作成して外国人労働者を呼び込んでおり、2018年には228人の外国人が東京から転入しています。
■秋田県
海外進出を目指している秋田県のメーカーは、自社が希望する留学生で就業を希望している人材を募って自社工場への見学ツアーを実施しました。
この県以外にも広島県や岡山県でも施策を行っており、多くの外国人が就業しています。
留学生就職の推進をされているが問題は多い
政府は2019年4月に「入国在留管理庁」を設置して、不法滞在者やテロリストの入国を防ぐ他、受け入れ企業や自治体と連携して外国人労働者の雇用状況を把握して在留支援、日本の大学を卒業した高度人材の就職を後押しすることになっていますが、まだ準備段階です。
そのため、日本企業が働き方のデザインを率先して募集方法や受け入れ体制、キャリアパス、定着率アップのためのモデルケースを作っています。
ただし、知名度が高く人員や資金が潤沢な大企業ならではの方法であることが多いため、真似をしたくてもできない企業も多くあります。ですから、中小企業は外国人材や留学生の就職に関する助成金制度や合同企業説明会を行っている行政の窓口に問い合わせをして、活用できる制度やイベントを活用しましょう。
さらに、募集時に下記のことを実施してみいてはいかがでしょうか。
【募集時に実践したい5つのポイント】
- HPを多言語対応にする
- HPやSNSでの企業紹介時には東京と物価が違うこと、企業がある土地の名所や自然、治安の良さ、住居の補助、人間関係などを含めてアピールする
- 日本語学校や大学に求人を出す
- 日本語学校や大学の学内合同説明会に参加する
- 現在働いている外国人社員からのリファラル採用
このような地道な採用活動が優秀な人材の獲得に繋がります。
まとめ
まずは留学生たちとの接点を持てるようアピールの場を増やして、採用フローや入社後のケアなど体制を整えてはいかがでしょうか。とくにSNSやHPは日本へ来たい留学生が良く検索しているのでぜひ有効活用してみてください。