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人事制度のトレンドは?変化の速いビジネス環境に対応する柔軟性

ビジネスのスピードが益々加速する時代において、人事制度のトレンドはどのように変化しているのでしょうか?
ヒト・モノ・カネが容易に国境を超え、日本の国内事情では労働力不足への対策で多様な働き方が認められるようになってきています。しかし旧来の人事制度ではこうした変化に柔軟に対応できない側面があり、時代の流れにあった人事制度を採り入れる会社が増えてきています。
そこで今回は、従来型の人事制度も踏まえつつ、実例も交えてトレンドの人事制度についてご紹介します。

従来の人事制度

トレンドの人事制度についてご紹介する前に、人事制度とは何か、そして従来の人事制度にはどのような特徴があるのか、という点について説明します。

人事制度とは

人事制度というのは、広義には労務管理や人材育成、福利厚生などを含む、人事に関わるさまざまなルールを定めるものです。その中でも特に給与決定に関わる部分を指して狭義の人事(評価)制度と呼ぶことがあり、その場合は等級制度や評価制度、報酬制度などを意味します。

こうした人事(評価)制度は、従業員の能力や実績に応じた公正な評価と処遇に基づく会社での位置づけ、ひいては給与を定めるものです。

従来型の人事制度

従来型の人事(評価)制度には以下のような特徴がありました。

・(半期や四半期の)定期的に行われる人事考課
・上長が部下の評価を決める
・(レイティングによるランクなどの)評価や評価方法は本人には開示されない
・評価に応じて等級と報酬が決まる

これまでの人事(評価)制度では、社員がオフィスにいることが前提で、上司が部下の仕事ぶりをチェックできる体制に置いて成り立ってきたものです。そして評価は人事情報として多くの場合に伏せられてきました。

しかし、現在では多様な働き方が認められるようになっており、こうした従来型の人事制度が現実的ではないケースが増えてきています。

変化する人事制度の社会的背景

従来型の人事制度はどのように変わってきているのでしょうか。社会的背景も含めながら人事制度のトレンドの傾向をご紹介します。

変わりやすい環境に対応

ビジネス環境の変化は速く、半年や1年といった期間を経た目標が実態とはかけ離れてしまう場合も少なくありません。すでに追い越した目標を思い起こして、評価やフィードバックをすることはあまり意義がありません。また会社によってはプロジェクト単位で人員の編成があるかもしれません。組織がフラットに変化している場合、従来型の上司が部下を評価するという方法は現実的ではないでしょう。

こうした点に関してトレンドの人事制度では、短期間で評価とフィードバックを繰り返す方法(ノーレイティング)や、上司も含めた対象者の周辺にいる人々が評価をつける(360度評価)など、よりビジネスのスピード感や組織の形態に合った人事制度が取り入れられ始めています。

多様性に対応

フレックスタイム制や在宅ワークの導入により、上司は常に部下を監督できる状況ではなくなっています。また人事制度による評価というのは相対評価であることが多いため、社員同士の協力関係を阻むことも考えられるのです。

こうした点に関しては、定量的に成果を測ることのできる制度(OKRなど)や会社の行動規範を評価する(バリュー評価)などにより、より明快で、会社の価値観を反映した仕事が評価されるような人事制度へ変わってきています。

トレンドの人事制度

人事制度の昨今の傾向についてご紹介しました。ここではトレンドの人事制度について具体的にどのような制度があるのか、いくつかご紹介します。

制度の可視化(OKR)

働き方が多様化する中で、明確で公平な評価基準が必要とされています。そうした可視化ができるトレンド制度に定量的な達成度を指標とするOKR(Objectives and Key results)があります。その目的は組織と個人の目標のすり合わせであり、目標管理の手法のひとつです。OKRでは細かく目標Oが設定されます。そして成果指標となるKRは必ず定量的(数値で表せるもの)でなければなりません。そうして目標Oに対する、達成度KRが平均値として表されたものがOKRの数値となるため評価の基準が明快であると言えます。

またOKRは会社の目標を個人レベルの目標まで細分化するという特徴もあります。会社と個人の目標のすり合わせを行うことによって、互いが成長できる制度ともいえます。

バリュー評価

上記のOKRが明確な定量的評価であるのに対し、バリュー評価は会社の価値観を反映した行動指針に合わせた取り組みを評価する定量的な制度です。行動指針に従ってやるべきことができているのか、と常に考えることで会社の価値観を伝える商品やサービスが創られることが期待されています。

ノーレイティング

ノーレイティングとはA、B、Cなどのランク付けを行わない評価制度です。また、決められた期間ごとに評価を行うのではなく、現状について目標とフィードバックを適時行うものです。画一的な評価基準では評価されてこなかった個人の良いところにもスポットが当たり、フィードバックが遅れることも防ぐことのできる制度です。

無制限昇給制度(メルカリ)

トレンドの人事制度をご紹介しましたが、これらの制度はどのような形で企業の人事制度に取り入れられているのでしょうか。インターネット上におけるフリーマーケットの旗振り役ともいえるメルカリの事例をご紹介します。

ノーレイティングと絶対評価の導入

メルカリは変化の速いインターネットビジネスにおいて目標が陳腐化することなく、短くPDCAをまわせる仕組みとしてノーレイティングを取り入れています。またOKRで成果を、バリュー評価で成果のプロセスが行動指針に沿ったものであったかを評価。画一的な評価には当てはめず、個人のプロフェッショナル性を絶対評価にしています。

無限昇給制度

絶対評価は人事制度ではあまり取られない手法です。昇給には原資(元手)が必要ですが、通常は部門やチームごとにあらかじめ決められた原資が分配されるのでその枠を超える昇給はありません。しかしメルカリでは個人のパフォーマンスが重視されるため、全員が成果を出せば、全員の給与が上がります。これを無限昇給制度と呼んでいます。
ただし成果が上がらない、逆に下がるといった場合も給与に連動するものなので、成果主義ともいえるでしょう。

メリットと課題

メルカリの制度では評価される側としては、個人の業績に焦点が当たるので適正に評価されていると感じられます。そのためプロフェッショナルであろうとする努力を重ねるモチベーションにつながるでしょう。
一方、評価をする側の立場に立ってみると統一された基準がほとんどない状態で評価をつけなければならないため、悩むこともあります。評価を決めるためにミーティングを実施するなどプロセスが複雑化する傾向があるようです。

※この項目は参考資料からの情報です。現在の人事制度とは異なる場合もあります。
参考:メルカリ人事 石黒さんが教えてくれた「超成長企業の人事評価制度」 -インタビュー前編―
参考:一人ひとりのパフォーマンスを評価したい。メルカリが新人事評価制度に込めた願いと覚悟

トレンドはよりオープンで柔軟性のある人事制度

  • 従来型の人事制度の見直し
  • 企業の価値観を反映した評価軸
  • 従業員の納得も得られる制度でパフォーマンスの向上

トレンドの人事制度は従来型の人事制度からは大きく変化しています。これは一定期間ごとの人事評価によるランク付けや上司から部下への評価などといった従来型の人事制度が、ビジネス環境や組織のあり方にそぐわなくなってきたためです。
人事制度はランクも期間も設けないノーレイティング制度をはじめとして、OKRやバリュー評価など、よりオープンで個人に当てはまる柔軟性を備えた制度に変化してきています。

本記事ではメルカリの無限昇給制度をご紹介しましたが、各社さまざまな制度を組み合わせて独自の取り組みを行っています。会社と個人がより成長できる人事制度の実現を目指していきたいものです。

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