IT業界ではエンジニア職の採用競争が激化しており、エンジニアの採用が難しい状況が続いています。そこで今回は、エンジニア採用が難しい原因を考え、エンジニア採用で効果が見込まれる採用方法について、分かりやすく解説します。
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エンジニアの採用が難しい理由
まず、エンジニアの採用が難しい原因について考えてみましょう。
①人材不足が原因で採用市場が縮小
労働人口の減少により、エンジニア人口も減少。若年層のIT技術者の入職者数が退職者数(団塊世代)を下回る見通しになっています。
また、しばしば「新3K(きつい、帰れない、給料が安い)」と表現され、そのようなイメージが定着してしまい、離職率が高い側面もあります。
②現職で好待遇を受けている
優秀なエンジニアを抱える企業は離職対策を施しています(リテンション・マネジメント)。人事制度や評価制度の見直し、キャリアアップの機会提供などを実施して、エンジニアのモチベーションを管理しているためエンジニアが流出しません。そのため、求人サイト、人材紹介サービス会社への登録はせず、転職市場にエンジニアが求職者として現れにくくなっています。
③フリーランスに転身している
技術力が高ければ、より柔軟な働き方を求めて独立するケースは多いです。常にニーズがある職種ゆえに、フリーランスでも高単価な仕事を受注できるようです。
④即戦力採用にこだわり過ぎている
入社後の教育に時間やコストを割けない企業が多く、即戦力にこだわり過ぎて採用ハードルが上がってしまうケースです。人事担当者、現場責任者の要望、また事業計画に合わせて調整が必要です。意外にこのケースに陥っている会社は多いと思われますので、一度社内で振り返りをしてみてください。
⑤外国人材の受入れ体制が未整備である
外国人エンジニアの採用の場合、就労ビザの手続きなどの知識が不足しているため、選考フローがスムーズにいかないことも挙げられます。
採用するには?解決方法5選
エンジニア採用に効果的な手法を以下にご紹介します。採用計画や予算に合わせて、自社に適した手法選びの参考にして下さい。
①人材データベースの活用
ダイレクト・リクルーティングと呼ばれ、人材データベースから自社の採用要件を満たす求職者を見つけ、直接アプローチする採用方法です。自社のアピールが成功すれば、企業規模や知名度に左右されることなく、優秀なエンジニアからの応募に繋げられます。
②リファラル採用
社員の友人や知人に応募者を紹介、もしくは推薦してもらう方法です。縁故採用に似ていますが、紹介された求職者を自社の選考プロセスで評価する点で、縁故採用とは異なります。求人の掲載費や紹介費用が発生しないうえに、社員が信頼する人物であるために面接までスムーズに進められる可能性が高いです。
③人材紹介会社の活用
IT業界やエンジニア職種に特化した人材紹介会社が多く、応募者の選定も採用条件に照らし合わせて人材紹介会社が行います。ただし、人選の質は人材紹介会社の担当者の業界知識に左右されやすく、成功報酬制でコストも高くなる、などのデメリットがあります。
④外国人エンジニア採用の検討
採用手法以外に検討してみたいのが、外国人エンジニアの採用です。国内の若年層人口が減少して母集団形成は困難になる一方ですが、採用の間口を外国人にも広げれば、母集団を増やすことができます。
外国人エンジニアを積極的に採用するIT企業の動きもクローズアップされ、今後は外国人エンジニアの採用がますます活性化することが予想されます。外国人に対しアプローチをかけるには、外国人採用を支援する会社に相談することをおすすめします。
⑤伸びしろをみて採用する
即戦力を求める採用戦略とは異なり、ポテンシャル採用なら採用ハードルを下げることができます。応募者がスキルや経験などの採用要件を十分に満たしていない場合でも、コミュニケーション能力や向上心、学習意欲を十分に有していれば、入社後の育成で優秀なエンジニアに育つ見込みがあります。
まとめ
本記事では、エンジニア採用が難しい理由と、エンジニア採用において効果が期待される手法やアプローチの仕方をご説明しました。
エンジニア採用の課題である母集団形成は、接触チャネルや採用ハードルの見直しによって改善することが可能です。応募数を増やして人材確保の機会を広げるためにも、今一度、アプローチ方法や採用条件を見直してみましょう。