外国人採用の際の手続きには、様々なものがあります。その中の1つが「外国人雇用状況届出書」です。人事担当者が知っておきたい外国人雇用状況届出書とは、どのような制度なのでしょうか。
今回は、外国人雇用状況届出書の制度内容をご紹介して、その手続き方法や、届出を怠った企業に課せられるペナルティなど、わかりやすく解説します。
外国人雇用状況届出書とは
「外国人雇用状況届出書」とは、外国人労働者の氏名や在留資格、在留期間などを届出る制度です。2017年10月に成立した「雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律(通称「雇用対策法」)」に基づき、外国人労働者の雇用状況の把握と適切な雇用管理を図ることを目的として施行されました。
外国人雇用状況届出書は、外国人を雇用するすべての事業主の義務であり、外国人労働者の雇入れと離職時に行う必要があります。
ただし、以下に該当する外国人は届出の対象外です。
- 在留資格が「外交」もしくは「公用」
- 特別永住
- 雇用保険被保険者(雇用保険の加入・脱退手続きが、外国人の雇用状況の報告にあたるため)
手続き方法
外国人雇用状況を届出る際は、「外国人雇用状況届出書(様式第3号)」を管轄のハローワークに提出します。届出の期限は外国人の雇入れ・離職いずれの場合も、翌月末日までです。
外国人雇用状況届出書の記載内容は下記のとおりです。
- 氏名
- 在留資格
- 在留期間
- 生年月日
- 性別
- 国籍・地域
- 資格外活動許可の有無
- 雇入れ年月日または離職年月日
- 事業主
正確な届出を行うためにも、記入の際には外国人の所持する在留カードやパスポートを必ず確認してください。
届出書の様式は、以下のURLよりダウンロードできます。
外国人雇用状況届出書
なお、外国人が雇用保険被保険者である場合は、雇用保険の加入・離脱の手続きをもって、雇用状況の報告とします。いずれの場合も、提出先は管轄のハローワークです。
- 雇入れ時・・・「雇用保険被保険者資格取得届」
- 離職時・・・「雇用保険被保険者資格喪失届」
電子申請もできる
外国人の雇用状況の届出は、先ほどご紹介した申請書への記入以外にも、ハローワークの電子申請システムからも行えます。
なお、外国人雇用状況届出システムの利用には、ユーザー情報登録が必要です。任意のユーザーIDとパスワードを登録するため、これらの管理に注意してください。
▼マニュアルはこちらのURLから閲覧できます。
外国人雇用状況届出システムの操作マニュアル
怠ることへのペナルティ
外国人の雇用状況の届出を怠ると、30万円以下の罰金が課せられます。虚偽の申請を行った場合も同様です。なお、無届出に関しては、故意ではない限り罰則が適用されることはありません。
ただし、外国人であると認識していながら、在留資格や在留期間の確認を怠った場合は、罰則が適用されます。必ず本人が所有する在留カードで確認してください。
外国人の雇用状況の届出は入退職の度に行わなければならないため、人事担当者の業務負担が増えてしまいます。すでに社会保険労務士事務所に人事関連業務を委託されている場合は、事務所側で対応してくれると思います。一度相談してみることをおすすめします。
まとめ
「外国人雇用状況届出書」の提出は、外国人を雇うすべての企業の義務です。雇い入れと離職の時には、定められた手続きに従って届出を行う必要があります。その都度ハローワークに出向かなくても、電子申請で届出を行うことも可能です
外国人を定期的に採用したり、大量採用を検討していたりする企業であれば、届出の代行サービスの利用を検討してみるのも良いでしょう。
なお、厚生労働省が『外国人雇用状況届出Q&A』公開していますので、本記事とあわせて参考にしてみてください。
外国人雇用状況届出Q&A
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