事業を成長させるためには採用計画に基づいた採用活動が必要です。ベンチャー企業や中小企業に多いのが、社員から「人手が足りないから誰か入れましょう」という声があがって採用を始める、または誰か辞めた人がいれば補充で採用を始めるパターンです。
しかし、事業計画や人件費、採用経費を踏まえたうえで採用活動を行なわなければ、営業利益より経費が上回ってしまうことがあります。本記事では採用計画が必要なのか、採用計画の立て方をご紹介します。
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採用計画とは
人事採用は経営資源のヒト、モノ、カネ、情報のうちの1つヒトを採用する事業計画に基づいた人事戦略の1つです。その採用活動をいかに戦略的に行なうのか計画したものを採用計画といいます。
採用計画を策定する前には既存の社員の業務を整理して下記の選択を行ないます。
- 既存社員の業務を調整する
- 既存社員を異動させる
- グループ会社からの異動
- 新卒を採用する
- 中途社員を採用する
基本的には既存社員を活かす方法を選択しますが、人員が足りないまたはスキルや経験を持った人が社内にいない時に採用計画を立てます。人材の採用は事業計画を円滑に進める人員をそろえるために行なうことから、事業計画と連動させて策定します。
なぜ採用計画が必要なのか
例えば、経営者の発案で新規事業を行なうことになったとします。その時、新規事業にアサインする社員を職務分掌や要員管理、要員計画などを見て適材適所でアサインします。その際、社内での異動や業務量の増加で特定ポジションの人員が不足、また既存社員の中に新規事業を成功させられる人材がいないと判断された場合に、人材採用が必要になり採用計画を立てる必要がでてきます。
もし、事業計画を考慮しない採用計画を立てた場合、人員構成が適切でないために現状が改善されず、新規事業計画も進みづらくなるなど、何らかの影響が現れてしまう恐れがあります。
また、時期によって採用市場、求人倍率が変化することもあるため、事業計画や採用市場の動向を把握しつつ採用計画を立てることが必要なのです。
採用計画のポイント
それでは、採用計画はどのように策定していいのかポイントを3つご紹介します。
①事業計画に沿って目標採用人数を決める
職務分掌や要員管理、要員計画と事業計画を照らし合わせて、求める人材像や採用人数を導き出します。
会社によっては、経営者や事業部の責任者は求める人材像に対して高い要求を出すこともあるため、採用市場の状況や求職者の能力を見て、採用担当者は社内での説明や条件調整を行なうことも必要になるでしょう。採用活動の基盤作りとして、採用担当者が積極的に現場と関わり社内ですり合わせることも大切です。
採用の選考スケジュールを決める
募集の時期は採用したい時期から逆算して行うのが良いですが新卒、中途、外国人で採用が活発な時期が異なります。募集カテゴリーごとに注意しましょう。
- 新卒一括採用の時で4月入社の新卒なら2020年は3月募集スタート
- 中途採用は4月入社の場合は1月頃から、10月に入社させたい場合は7月ぐらいから募集をスタート
- 海外大学卒は10月入社を目標に募集、外国人は国ごとの学校の卒業タイミングを把握して募集する
各ターゲットに合わせた就職サイトへの求人票の出稿や説明会、面接から内定、入社までのスケジュールを立てます。外国人においては、国ごとに学校の卒業時期や就職活動のタイミングにばらつきがあるため、よく理解したうえでアプローチをかけることがポイントです。
なお、新卒採用はその年ごとに経団連のルールが変わるので注意が必要です。昨今では中途採用のように通年採用を取り入れている企業が増えてきているので、今後は通年採用化が進むかも知れません。
募集するチャネルを決める
新卒・中途・外国人など、どのような人材を確保したいかで応募者が見込める採用ツールを決めます。一般的に複数のチャネルを持つ方が応募者は増えますが、チャネルが増えると管理工数が増えますので、自社で対応可能なチャネル数を把握すると良いでしょう。
【新卒の代表的なツール】
リクナビ・オファーBOXなどの求人サイト、学校の就職課キャリアセンター、新卒専門の人材紹介など
【中途採用の代表的なツール】
リクナビNEXTなどの経験者の母集団形成がしやすい求人サイト、総合型の人材紹介、業界や職種専門の人材紹介、あと比較的新しいダイレクトリクルーティングなど
【外国人採用のツール】
外国人専門の人材紹介、日本語学校、SNS専用求人サイトなど
とくに外国人採用においては、エンジニア採用が活発になってきています。優秀な人材の確保に加え、海外進出など検討している企業は外国人採用の基盤作りに注力したほうがいいでしょう。
これらの採用ツールを最大限に活用するには、求める人材像を確立させ、募集ツールの特性とマッチングさせましょう。また、人材紹介会社を経由するのではなく、ダイレクトリクルーティングも増加傾向にあるため、ターゲット層に応じて検討することをおすすめします。
まとめ
人材の採用は事業の成長に大きく関わるため事業計画と連動させた採用計画を立てるのが鉄則です。
求める人材像を経営者や責任者からしっかり引き出して、応募者が集まる採用ツールを使いこなして、自社にマッチした人材の採用を実現させましょう。