社員を定着させる手段として、メンター制度の導入を検討している人事担当者の方はいらっしゃるでしょう。しかし、いまいちメンターの役割について知識がないと、導入後の効果を感じられなかったり、社内に混乱を招いたりしてしまいます。今回は、メンターの役割をメインに、メンターになることで得られるメリットなどを解説します。
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メンター制度とは
メンター制度とは「直属の上司ではない先輩社員が新入社員のサポートを行う」制度です。メンターは仕事のことだけではなく、人間関係や日頃の悩みなどさまざまな方向から、新入社員を手助けします。
メンター制度ではサポートする先輩社員側を「メンター」、サポートされる新入社員側を「メンティー」と呼びます。
OJTとの違い
メンター制度と同じような役割に「OJT」と呼ばれる制度がありますが、これは同じ部署で働く先輩が実際に仕事をしながら業務について指導していく制度です。OJTが業務についてのサポートなのに対して、メンター制度は仕事だけに留まらないメンタル的な部分もケアします。そのため、メンターとなる先輩社員は直接関わりが無く相談しやすい、年齢が近い別部署の人間が良いとされています。
メンターの役割
メンターの役割は精神面で社員を支えることです。そのため、定期的な面談を行い、メンティーの持つ悩みや不安を共有し、解決に導けるようしばしば対話する場を設けます。相談内容によっては直接業務に関係ないものもあるかもしれません、メンティーの悩みを解決することは意欲的に業務に取り組めるメンタル作りにつながります。
また、メンティー自身が壁を乗り越えることも大切なので、一から十までサポートするというよりは、相談を受けた際には問題を把握しながらも、彼らが自分自身で解決の糸口を掴めるように導けるようにすることが求められます。
メンターになる人に意識させたいポイント
メンター制度を導入する場合、メンターになる社員には下記のポイントを理解させておきましょう。
①信頼関係の構築
一番のポイントは「メンティーとの信頼関係を構築すること」です。メンティーとなる社員はメンターが本当に信頼できる人間かどうか常に意識して観察しています。そのため、遅刻や欠勤、軽率な判断でのミスなど信頼を損なう行動を頻発する社員をメンターにすることは望ましくありません。
メンティーから受けた相談は決して口外しないといったルールを決めた上で面談や相談を行わせるようにしましょう。
②話を聞いて、対話をする
悩みや不安に対して解決策を教えるのではなく、メンターの役割はあくまで「解決」のきっかけを与えるまで、と理解させておきましょう。メンティーが将来自分自身で解決できるよう問題解決能力をつけておかないと、メンターに依存してしまいます。
また、メンティーが抱える仕事以外の悩みに対しても「相談されたら一緒に考える」というスタンスで取り組んでもらえるようにしましょう。まるべく寄り添うことで、より一層深い信頼感と安心感をメンティー与えることができ、メンティーの離職や孤立することを防げます。
③メンターは自己の成長にもつながる
メンターの役割は業務以外の負担が増えるため、メンター制度に抵抗を感じる社員もいるかもしれません。しかし、メンターになるということは自分の働いている人や環境、業務に対する理解が深まり環境改善や自己の成長につながります。
メンターになる社員は、ゆくゆくはマネジメントポジションにつくかもしれません。今後の管理能力を向上させる経験として、マネジメントの観点からかかわってくれるよう働きかけましょう。
④難しい問題には手助けを借りる
メンティーから受けた相談には、メンターだけでは解決できない問題もあるかもしれません。その場合は、メンター自身が周囲にアラートを出しても良い、ということを共有しておきましょう。メンターに負荷がかかり仕事が進まなくなれば本末転倒です。
メンターになる社員に対しては、研修の時間を設けて上記の内容を説明しておくと認識のズレは抑えられるでしょう。
まとめ
今回はメンター制度におけるメンターの役割と意識したいポイントについて解説しました。メンティーをサポートする立場でありながら、自身の成長やスキルアップも望めるメンターは、けして「余計な仕事」ではありません。
社員の理解を得ながら、人事が積極的に導入を進めましょう。とくに環境や文化の違いを感じやすい新卒社員や外国人社員にとって、メンタルヘルスの維持は課題です。定着率アップはもちろん、気持ちよく働いてもらえるよう環境を整えてみてください。
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