厚生労働省がまとめた「外国人雇用状況」の届け出状況によると、2018年10月末現在、日本国内の外国人労働者は146万人となり、前年より14.2%増加して過去最高をマークしました。
外国人材の急増には、彼らの期待値の高さが反映されています。そこで、外国人が日本で働きたいと思う理由や、外国人から見た日系企業や日本人の働き方に対するイメージなど、外国人の本音を解説します。
Contents
外国人が日本で働きたい理由3選
本サイトの外国人エンジニアの採用プラットフォーム「TalentHub」(運営:プレイネクストラボ株式会社)に登録中の外国人エンジニア123人を対象に行ったインターネット調査によると、外国人が日本で働きたい理由は下記のとおりでした。
出典:外国人ITエンジニアの本音をリサーチ!外国人から見た日本の働き方のイメージとは?
ここからは、上記の「日本で働きたい理由」の1位から3位までにフォーカスしていきましょう。
最新技術を学ぶことができるから
2017年にはAI関連予算が増額され、日本のAI産業は拡大の一途をたどっています。日本が誇るAI・ロボット産業やロケット技術などの最新テクノロジーを学ぶことが、外国人技術者の来日の動機の1つと言われています。
自分のキャリアアップを図れるから
海外の教育機関でのIT技術の習得度は日本と比べて高く、優秀なエンジニアを輩出しています。自国で習得したプログラミングスキルなどの技術を人材不足に悩む日本のIT業界で活かし、キャリアアップしたいと考える外国人エンジニアが増えているのです。
日本の文化が好きだから
伝統文化だけでなく、日本のアニメ・漫画やサブカルチャーは海外でも大変人気です。日本の文化に親しむことが、日本での居住や就労を希望するきっかけにもなっているようです。
外国人的日本の好きなところ・嫌いなところ
次に、外国人が挙げる「日本の好きなところ・嫌いなところ」について見ていきましょう。
時間に対する正確さに好感が持てる
日本人の時間に対する正確さは、世界中でも群を抜いています。また、日本は電車の運行が遅延しない国として、海外でも有名です。分刻みの時刻表で定刻通りに運行するのは日本だけと言われており、外国人は公共交通機関の正確な運行に最初は驚き、そして好印象を抱くようになると言われています。
真面目で勤勉な人が多い
外国人は日本人に対して「勤勉」で「礼儀正しい」というイメージを抱いていることが、内閣府が世界4カ国で実施した日本についての意識調査でわかりました。
表:日本人についてのイメージ
国名 | 勤勉 | 礼儀正しい |
韓国 | 37.1% | 32.9% |
アメリカ | 35.6% | 41.8% |
イギリス | 37.5% | 22.3% |
フランス | 65.9% | 36.5% |
日本人は真面目に仕事に取り組み、サボりや手抜きが少ない傾向にある点などが、この調査結果にも反映されていると考えられます。
満員電車での通勤が苦痛
海外でも通勤ラッシュがないわけではありませんが、満員電車でぎゅうぎゅう詰めになるのは日本特有の光景のようです。電車内の狭いスペースに閉じ込められて、足を踏まれながら電車通勤するのが苦痛に感じるのは、日本人も外国人も変わりありません。朝から仕事の質が落ちるという声もあります。
休日が少なく残業が多い就業形態に不満を感じる
日本人の残業時間の多さは、海外メディアでも取り上げられるほどです。外国人から見た日本企業の残業文化や休日の少なさは、外国人が抱く不満の1つに挙げられます。
そもそも海外では残業という概念がないことが多く、勤務時間内でいかに効率よく仕事を終わらせるかが重要視されます。オフや休日は家族と過ごすのが当たり前なのです。
まとめ:外国人の本音を知って人材確保に活かそう
今回ご紹介した外国人の本音から読み取れる事柄は次のとおりです。
- 外国人は日本での就労をキャリア開発の一環と位置付け、最先端技術の習得や異文化交流などの目的で来日を希望している。
- 日本人の仕事に対する取り組み方や国民性は海外でも好評だが、通勤や残業など日本特有の事情に対する不満が多い。
- 外国人の多くは、日本で自己実現して活躍できると期待しているが、現実とのギャップが就業先への定着率にも影響してくる。ここで取り上げたのは外国人の本音のほんの一部ですが、今後の外国人採用に役立てていただければ幸いです。